” A man who doesn't spend time with his family can never be a real man "

2匹の仔犬が目印

中京行政書士法務事務所


〒512-8042 三重県四日市市平津町280番地16(令和4年4月移転)
 

3か月以内にやること

相続承認の手続

債務や不動産など、すべての相続財産のトータルがプラスになる場合とマイナスになる場合を考えて、
相続財産の承認には複数の方法が用意されています。
その方法とは、
単純承認、限定承認、相続放棄の3つ。
それぞれの相続財産の状況にあわせて適した方法をひとつ選ぶことになります。

単純承認

すべての財産の権利を承認し、相続する方法です。
現金や車、家などのプラスの財産だけではなく、
被相続人が残した債務も同様にすべて承継することになります。
この方法を選択するためには、特別な手続きなどは必要ありません。

(注意)

被相続人の死亡を知った日から3カ月以内に特定の手続きを行わずにいると、
単純承認したものとして扱われることになります。
逆にいえば、マイナスの相続財産に気づかないまま3カ月以上が過ぎてしまうと、
債務まで単純承認したものとして扱われるということ。
債務がある場合、その点には注意しなければいけません。

限定承認

財産の種類が多かったり、評価額の算出が難しかったりしたために、
プラスとマイナスのどちらが多いかわからないという場合などには、
この方法をとるのがおすすめです。これはプラスの財産で支払える金額までの債務を相続するというものです。
たとえば、相続終了後に被相続人が連帯保証人になっていたことが判明する場合もあり得ます。
そのような場合でも、この方法なら問題なし。
仮に相続の手続きが終了したあとになって新たに債務が判明したとしても、
相続したプラスの財産の範囲までしか納税の義務が課せられることはありません。
限定承認を行う場合には、家事審判申立書の申立人を申述人に書き換え、
事件名を相続の限定承認として提出する。
その他の記入事項は、自筆証書遺言の検認申立の場合などのときと同様です。

 

(注意)

この方法をとるためには相続人全員が同意したうえで申請を行わなければいけません。
誰かひとりでも反対者がいて、話がまとまらなければ、
そのまま単純承認になる場合も少なくないです。

相続放棄

これは文字通りすべての相続権を放棄するというものです。
相続財産でマイナスが多くてもプラスが多くても、
それらの相続をすべて放棄することができます。
被相続人が多額の債務を抱えていたとしてもすべてなかったことにできる方法です。
この方法の選択は限定承認の場合とは違い、各相続人ごとに手続きを行います。
申請が通った場合、その人物は最初から相続人ではなかったものとして扱われ、
相続権自体がなくなるのです。
これを選択すると相続財産がすべてなくなるため、ひとりの人物に債務を相続させ、
それを放棄させればいいと考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
この手続きで放棄されるのは、相続財産ではなく相続権です。
相続放棄を選択した相続人は最初からいなかったものとして
相続がやり直されるので相続権は次の相続人に移ります

たとえば相続人がふたりの子どものみでそのひとりが相続放棄を選んだ場合、
もうひとりの子どもがすべての財産を相続できます。
さらにその子どもも相続放棄を選択し、孫がいなかった場合には、
法定相続人は次の順位の両親に移ることになるのです。
つまり、相続財産がマイナスになる場合でも、
相続人にあたる人物全員が相続放棄をしない限り、相続財産自体はなくならないのです。

(注意)

相続財産を少しでも使った場合には
相続放棄を使えば相続の意思があるものと判断されてしまうため、放棄を選択できなくなります。

まとめ

相続の結果として得になりそうな場合

単純承認) 財産も債務も承継。すべてそのまま相続する。

3カ月以上なにも手続きをせずにいると自動的に単純承認を選択したという扱いになる。

相続の結果が、どうなるか不明な場合

限定承認) 損にならない、相続財産から支払える範囲で承継する。

相続人ひとりだけが選択したとしても、成立しない。

相続人全員の合意が必要。

相続に結果として損になってしまう場合

相続放棄)相続権自体を放棄、財産も債務も承継しない。

各相続人が手続きできるが、
相続財産を少しでも使ってしまうと相続の意思があるとみなされ、放棄できない。