” A man who doesn't spend time with his family can never be a real man "

2匹の仔犬が目印

中京行政書士法務事務所


〒512-8042 三重県四日市市平津町280番地16(令和4年4月移転)
 

子どものこと

離婚協議で決めること

戸籍、姓、面会交流、養育費など離婚協議の中で決めなければならないことはたくさんあります。
離婚することになり、自分自身のことだけでも大変なときに同時進行で、
時には優先的に対処していかなければならないことが多々あり、
メンタル的に折れそうになりますが、愛する子どものために頑張りましょう。

離婚後の戸籍について

離婚した場合、妻は夫の戸籍から除籍されると同時に結婚前の旧姓に戻ります。
そのとき、2つの選択をしなければなりません。
1つは自分の親の戸籍に戻るか、もう1つは新たに自分の戸籍を作るか、そのどちらかです。

離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍欄」の「妻はもとの戸籍にもどる」にチェックを入れ、
親の本籍を記載すれば自分の親の戸籍に戻ります(=復籍)。
自分が筆頭者の新しい戸籍をつくる場合は、
離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄の「妻は新しい戸籍をつくる」にチェックを入れておきます。

離婚後の妻の姓について

妻が元夫の姓をそのまま名乗り続けたい場合は、
離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄には何も記載せずに、
「離婚の際に称していた氏を称する届」(戸籍法77条の2の届)
離婚から3か月以内に住所地(本籍地)の役所に出します。
一旦は結婚時の姓を選んだものの、後に旧姓に戻りたくなった場合は、
家庭裁判所に「氏の変更許可」の申立てを行います。

子どもの姓について

離婚すれば妻は原則として旧姓に戻るのに対し、子どもの姓は元夫の姓のまま変わりません。
どちらに親権があったとしても子どもの戸籍は変わりませんから、
母子が別々の姓を名乗ることもあります。
子どもは15歳になれば、自分で姓の変更を申し立てることができます。

子どもの戸籍を自分の戸籍に移す

まず、子どもの姓を変更するために、裁判所に「子の氏の変更許可」の申立を行います。
この申立を行う裁判所は、子どもの住所地になります。
 申立に必要な書類は以下の通りです。
□申立書(裁判所のホームページからダウンロード可)
□子どもと父親の戸籍謄本(全部事項証明書を取る)
□母親の戸籍謄本
□収入印紙(800円 裁判所で購入できる)
□返信用の郵便切手

無事に子どもの姓を変更することができたら、裁判所から「審判書謄本」が届きます。
この「審判書謄本」を持って、母親の住所地の役所で子どもの戸籍変更手続きを行います。
戸籍の変更手続きは本籍地の役場に「入籍届」を出すことで可能です。  

もし子どもが連れ去られたら

相手に監護実績を積ませないためにも迅速な対処が求められます。
調停ではなく審判を選択することが一般的です。
発端が連れ去りで合っても子どもの生活や気持ちが安定している場合は、
相手の監護実績が認められてしまい、
後で親権を求める申し立てを起こしたとしてもかなり不利になるからです。
審判を申し立てることに合わせ、未成年者略取の被害届を警察に出します。
これは後の審判で相手の不法行為を裏付けるためです。
審判が出たのに引き渡してくれないときは、地方裁判所で人身保護請求を申し立てましょう。
離婚協議中は念のために子どもにGPSを与える、
それと同時に学校や園に事情を話しておくのも対策としては有効です。

民法772条(300日問題)

結婚が成立している期間に妻が妊娠したら、
例えその妻が別の男性の子どもを宿していたとしても、夫の子どもであるとみなす。
結婚した日から200日以降に生まれた子どもは、夫の子どもであるとみなす。
離婚した日から300日以内に生まれた子どもは、別れた夫の子どもであるとみなす。
離婚後300日以内に子どもが出生した場合、法律上はその子どもは元夫の子どもとして扱われます。
そのため、出生届の「父」の欄に元夫以外の名前を書いて役所に提出しても、出生届は受理されません。
元夫以外を父親とする出生届を受理してもらうには、
裁判所で「嫡出否認の手続き」を行って、子どもの父親が元夫でないことを確定させる必要があります。

しかし、出生届は子の出生後14日以内に提出しなければならず、
裁判所での手続きが終わるまで待っていれば、期限に間に合いません。
期限に遅れた場合には、
5万円以下の過料(罰金)に処せられることもあります。

① 出生届を出して一旦元夫の戸籍に入れる

生まれた子どもについて、一旦、元夫の子どもとして出生届を出し、その後裁判所での手続きを行って、実の父親を修正する方法です。
この場合には、期限内に出生届を出すことができますが、嫡出否認の手続きが終わるまでの間、生まれた子どもは元夫の子どもとして元夫の戸籍に入ることになります。

② 出生届を出さずに子どもの住民票だけ先に作成

生まれた子どもを元夫の戸籍に入れたくない場合、
出生届の期限に間に合わなくてもとりあえず嫡出否認手続きが終わるまで出生届を出すのを待つ方法があります。
役所では、現に嫡出否認の手続きを行っており、
出生届が提出できる見込みがあれば、子どもについて戸籍の作成前に住民票を作成する扱いをしています。
住民票を作成してもらえば、子どもは健診や予防接種、児童手当の受給などの行政サービスを受けられることになります。

③「懐胎時期に関する証明書」を添付して出生届を出す

妊娠時期が離婚後である場合には、それを証明する「懐胎時期に関する証明書」を医師に発行してもらい、
その証明書を添付して出生届を出す方法があります。
この場合には子どもの出生日が離婚後300日以内であっても、
元夫以外を父とする出生届を受理してもらえますので、子どもが元夫の戸籍に入ることもありません。

嫡出否認の手続き

離婚後300日以内に生まれた子どもについて、元夫との親子関係を否定するには、
裁判よりも前に家庭裁判所で「嫡出否認調停」を行う必要があります。
なお、嫡出否認調停の申立ては戸籍上の父親である元夫の側が申立てしなければなりません。
期限は子どもの出生を知ってから1年となっています。

親子関係不存在確認の手続き

離婚後300日以内の出生でも、元夫の長期海外出張、受刑、別居などにより
元夫の子どもを妊娠不可能なことが客観的に明らかである場合には、嫡出推定は及びません。
このような場合には、「親子関係不存在確認の手続き」を利用することができます。
まずは家庭裁判所に親子関係不存在確認調停を申し立てます。
親子関係不存在確認は母親側からも申立てができ、期限はありません。

認知

離婚後300日以内に出生した子どもについて、
嫡出否認の手続きを行って元夫との親子関係が否定された場合、
それだけでは父親が誰であるかが確定していません。
法律上も本当の父親の子どもにするためには、本当の父親に認知してもらう必要があります。

出生届を出さないまま放置した場合の問題

離婚後300日以内に子どもが生まれた場合、普通に出生届を出せば、
その子どもは元夫の子として扱われてしまいます。
嫡出否認の手続きをするまで出生届の提出を遅らせることはできますが、
嫡出否認の手続きには元夫の協力が必要になります。
つまり、離婚後300日以内に生まれた子どもの出生届を出す以上、
元夫に子どもの出生を知られてしまうのはやむを得ません。
元夫に婚姻期間中の浮気がバレることなどを恐れて、
子どもの出生届を出さずに放置していると、子どもが無戸籍になってしまいます。
無戸籍のまま放置してしまうと、その子どもは、
誰でも当たり前のように受けられる行政サービスも受けられません。
健康保険を使って病院に行くこともできず、学校にも行けないことになってしまいます。

転園、転校手続

離婚に伴い母子で引っ越しをして学校も変わるケースが多いものです。
まず、保育園の場合は市区町村の役所に「転園申込書」があるので、こちらに記入し提出します。

勤務証明書を用意して下さい。
保育園にしても幼稚園にしても転居先の希望する受け入れ先に空きがないと転園はできません。
転居が決まったら早めに転入希望先に申し込みの連絡をしたほうがよいでしょう。

小中学校の義務教育過程においては、いくつか手順を踏まなければなりません。

小中学校の転校手続

小中学校の場合、学校に転校を告げて「在学証明書」「教科書給与証明書」を発行してもらいます。
転出先での住所変更のあとで、転出する市区町村役場で「転出証明書」を発行してもらいます。
この3つを引っ越し先の市区町村役場か教育委員会に提出後、「転入学通知書」が送られてくるので
「転入学通知書・在学証明書・教科書給与証明書」の3つを転校先の学校に提出します。

高校の転校手続

義務教育ではない高校の場合には手続きが都道府県で異なりますので、
詳細については転出先の教育委員会へ問い合わせます。
私立の中学・高校の場合には都道府県の「私立中学・高等部学校協会」へ連絡し、
編入希望の学校へ直接手続きを申し込むという手順になります。

面会交流

離れて暮らす親にも子どもと会う権利があります。
具体的には、実際に会って食事をする、電話で話す、メールのやり取りをする、
プレゼントを贈る、学校行事を見学する。
同居している親は正当な理由が無い限り面会交流を拒むことはできません。
但し、面会交流が子どもの福祉にとってマイナスになると思われる場合は同居の親の権限で制限や拒否ができます。
面会交流に関してどうしても合意ができなければ家庭裁判所に調停を申し立てます。

面会交流の条件 4つの注意点

①子どもの意思を最優先

②条件は具体的に決める(第4週の土曜日13時~15時)(予備、翌日曜日の13時~15時)

③祖父母には面会交流の権利はない

④定期的な面会交流の実施が養育費の支払い実績と比例するというデータがあります

養育費

離れて暮らす親にも子どもの成長に必要な経費(養育費)を負担する義務があります。
仮に協議離婚で離婚協議書に養育費ゼロと明記したとしても裁判所が養育費の支払いを認めてくれるケースも少なくありませんので、困った時はためらわず支払いを申し立てましょう。
扶養している親の収入が多くても、極端に言えば扶養していない親が無収入に近くても養育費を負担することになっています。
つまり養育費の負担は経済力とは無関係な親の義務なのです。
養育費がもらえるのは、基本的には子どもが20歳になる月までです。
しかし両親の最終学歴が大卒で、子どもがすでに大学に進学している事案では、      
実際の裁判例においても、大学費用を非監護者側に(22歳まで)請求できるケースが見受けられます。     
一方、子どもが高卒で職に就き独立した場合には、18歳までとなる可能性もあります。

養育費の内容

子どもの食費、被服費、授業料、習い事、文具費用、医療費、お小遣い、
交通費、親権者の住居光熱費(同居の親あっての子どもの世話)がこれにあたります。
現在、養育費の計算方法は、一般的に以下の5点によって算定、算出されます。

①養育費を支払う側の年収

②給与所得者なのか自営業者なのか

③子どもの年齢が014歳なのか15歳以上

④養育費をもらう側の年収

⑤子どもの人数

養育費の算定表

養育費の算定方式と算定表は、東京と大阪の裁判官が結成した東京・大阪養育費等研究会により提案され、
現在も同じ運用がされています。
(例)夫(サラリーマン)の年収が500万円、妻(パート)の年収が100万円のケース

①子どもが1人(14歳以下)養育費の相場は毎月4万円~6万円程度
②子どもが2人(2人とも14歳以下)養育費の相場は毎月6万円~8万円程度。
③子どもが2人(2人とも15歳以上)なら養育費の金額は毎月8万円~10万円程度。
支払う側の親の収入が減った、再婚した、受け取る側が再婚した、
収入が増えた場合などは、養育費の増減を求めることができます。
話し合いがまとまったら公正証書にしましょう、相手の合意が得られない時は調停を申し立てます。