” A man who doesn't spend time with his family can never be a real man "

2匹の仔犬が目印

中京行政書士法務事務所


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養育費不払いへの対処

養育費不払いへの対処

養育費の差押え

公正証書を作成して月々の養育費を約束していたにも関わらず、
その支払いがされなくなった時は、
先ずは内容証明などを送り支払いをするよう相手に働きかけましょう。
それでも支払いが実行されないときは、
払ってもらうべき養育費を差し押さえるという強制執行の手続きへ進む手があります。

※養育費は自己破産しても免責されませんが、
養育費に5年の消滅時効があります。

差し押さえの手続き自体は、裁判所に所定の書類を提出するだけで、実際の裁判などをすることなく終わります。
養育費の差し押さえにかかる費用については、債権差押命令の申立てには1万円もかかりません。
申立手数料が、収入印紙で4,000円と、書類を送達するための切手代が2,0003,000円ほどです。
切手代は郵送先や書類の重さによって異なりますので、裁判所に確認しましょう。
差押えするものとしては、相手の「給与か預貯金」が一般的です。
その他のものも可能ですが、手続きの面倒な割にお金の回収が難しいなどして割りが合わないのであまりお勧めはできません。

差押えまでの流れ

①裁判所に『債権差押命令申立』を行う。

②裁判所から第三債務者(債務者である相手の勤務先や利用している金融機関のこと)へ差し押さえ命令が出される。

第三債務者が差し押さえた給与や預貯金の支払いをあなたが求める。

第三債務者から支払いを受けた後は、その都度、裁判所に取立届を提出します。
養育費全額の取り立てが終了した際には、取立完了届を提出しましょう。

「給与」の差し押さえ

相手が会社に勤務している場合、この給料を受け取る権利を差し押さえてしまいます。
そうすると、会社は相手に対し差し押さえられた給料を支払えなくなってしまいますので、
差し押さえた給料は、相手を通さずに会社から支払ってもらうことができます。
給与であれば、相手が退職・転職をしない限り、現金を継続的に支払ってもらうことができます。

また1度の手続きで、将来の養育費の分まで継続して差し押さえられます。

いくらまで差押え出来るのか

手取りが66万円以下のときは手取りの2分の1が差し押え可能です。

(例)手取り28万円の場合、

28×(2分の1)= 14

14万円を差し押さえできます。

・手取りが66万円を超える場合、

33万円以外の全額を差し押さえ可能です。

(例)手取り80万円の場合、

80-33)= 47

47万円を差し押さえできます。

養育費の差押えに必要な書類

①申立書

②債務名義の正本
債務名義の例:家庭裁判所で作成した調停調書、審判書、判決等の公証人役場で作成した公正証書等。
審判書等には正本と謄本があり審判書等の謄本では債権の差押えはできないので、
お手持ちの文書が正本であるか謄本であるか、確認してください(多くは債務名義の1ページ目や末尾に記載されています。)
謄本のみをお持ちの方は、債務名義を作成された家庭裁判所に、正本の交付申請をしてください。

③執行文
判決については,家庭裁判所で執行文の付与を受ける必要があります。
調停調書については、それが扶養料,養育費,財産分与、
又は婚姻費用の分担金の支払を定めたものであり、
それらを請求債権とするのであれば、執行文の付与を受ける必要はありません。

一方、慰謝料等の支払を定めたものであり
それを請求債権とする場合は執行文の付与を受ける必要があります。
公正証書についても執行文の付与を受ける必要があります。

(債務名義によって、執行文が必要なものと必要でないものがありますので、債務名義を作成した家庭裁判所、公証人役場に確認の上、執行文が必要な場合は付与申請をしてください。)

④債務名義正本(謄本)の送達証明書
(審判書の場合は、確定証明書も必要です)
※ 送達証明書については,謄本の送達証明書でも結構です。
入手先 ➡ 債務名義を作成した家庭裁判所、公証人役場

⑤関係者についての証明書

・債務者の給料を差し押さえたい場合、債務者を雇用している会社が法人の場合

□法人の資格証明書(法人の登記事項証明書又は代表者事項証明書)、
発行日から3カ月以内のもの 
入手先 ➡ 
最寄りの法務局

 債務名義記載の住所から転居して、現住所と債務名義に記載された住所が異なっている場合

□住民票
入手先 ➡ 市区町村役場

・債務名義記載の氏名と現在の氏名とが違っている場合

□戸籍謄本

入手先 ➡ 本籍地の市区町村役場

 ※住民票、戸籍謄本は、発行日から1か月以内のものを提出してください。

交付送達

裁判所で強制執行の手続をするためには、
債務者(養育費等の支払い義務者)へ公正証書が渡されていることを証明する送達証明書が必要になります。
これを交付送達といいます。
離婚公正証書を作成する意義として、養育費の支払い等が滞ったときに、
強制執行を裁判所へ申し立てやすくなる、ということがありますが、
この交付送達をしないと強制執行の申立てが出来ません。
※離婚公正証書を公証役場で作成したら、
できるだけその場で交付送達の手続きをすることをお薦めします。
その理由は、将来、債務者(養育費等の支払い者)の所在が
分からなくなると送達手続きが出来ない、もしくは所在を突き止めるのに時間がかかり
交付送達が出来ない=強制執行の申立てが出来ないという事態になりかねないからです。

公正証書作成当日に、債務者本人が公証役場に出向き調印する場合は、
公証人からの交付送達という手続ができます。
後日、謄本の送達をされる場合は郵便代がかかりますが、
離婚公正証書を作成したのと同時に手続きすれば、手渡しで送達しますので郵便代がかかりません。

※交付送達を希望する場合、公正証書を依頼時にその旨を公証人へ伝えておく必要があります。